【過去振り返り1】Vincent Zhouとの出会い【2015-16シーズン】
(ほぼ自分語りです)
2015-16シーズン、それは私をにわかスケートファンからビギナースケオタに変えたシーズン。
私はソチ五輪で初めてフィギュアスケートに興味を持ったいわゆるソチにわかでした。
学生であるにも関わらず好きなアイドルも俳優も特にいない、スポーツにも興味がない、これといった趣味も無いような人間でしたがテレビで放映されていたソチ五輪、町田樹さんのエデンに衝撃を受け彼のことを調べまくりました。
過去の演技、写真、語録……観れば観るほど、読めば読むほど彼の世界に引き込まれそこからはもう彼とフィギュアスケートに夢中、ルールも当時は全く分かっていませんでしたが選手達が美しく滑っているのを観ているだけで楽しかったです。
ですが私をフィギュアスケートに引き込んだ彼は一年と経たずに引退してしまいました、初めて夢中になった人がいなくなった喪失感は忘れられません。
悲しみに打ちひしがれている中2015-16シーズンが始まりました。彼の他にも好きな選手、応援したい選手がたくさん出来ましたのでフィギュアスケートを観るのをやめるなんて選択肢はありませんでした、けれどあの時の熱さはどうしてもない。
「もうあんなに夢中になれる人は現れないんだろうな……」などと考えていたそんな時
私の運命を変える選手に出会ってしまったのです
そう
アメリカの
ネイサン・チェンに
……ヴィンセント・ジョウじゃないのかよ!と思うかもしれませんが彼がいなければまずJr選手に目を向ける事がなかったかもしれません。
「アメリカにクワドを跳ぶJr選手がいる」
「ジャンプがとにかく凄い」
といった感じで名前だけは知っていましたが演技を観た事はありませんでした。そもそもJrといえば草太くん位の知識しか無かったという。
ふと目に入ったマイケルメドレーを観て私は再び衝撃を受けます。
Smooth Criminalで踊り狂う少年…曲に一切負けていない、圧倒的な存在感。これが16歳……?Jr選手ってこんなに上手いの……?
ジャンプが凄いって言ってたの誰だよ!ジャンプ以外も凄いじゃないか!となったのを覚えています。衣装も(あの頃は)ピカピカキラキラでまた目を引かれる。
一度Jrが気になってしまったら他にどんな選手がいるのか知りたくなってしまうのは至極当然、とことん調べたくなるのがオタクの性。
そこでようやく私は彼の存在を知ります
そう
ネイサンと同じくアメリカの
『ビンセント・ゾー』を
テレ朝表記は許さん、絶対にだ。苗字の読みに翻弄されまくりました、彼の名前は『ヴィンセント・ジョウ』くんです。
「よく分からないけど何か格好いい名前と謎の七三分けヘアスタイル…何だこの子は……14歳……?」
ただならぬ異質のオーラを放つ14歳に惹かれ恐る恐る演技を観ました。
〈SP〉
https://youtu.be/hNwX_bfKyNw(演技のみ)
https://youtu.be/K_lIEWoCx3M(試合フル、6練16:50~、演技51:24~、キスクラ56:21~)
JGPブラチスラヴァの演技。SP冒頭のスンッとした表情、珍しいダブステップに合わせた奇妙な振り付け、イーグルから両手を上げた3Lz-3T……。要素をこなしている感はありますが一つ一つを丁寧に滑る姿、ネイサンとはまた違ったスケートに心を掴まれました。
いやぁこんなプログラムを演じるんだから本人もさぞかしクールな……
えっっっキスクラかわいっっっっっ
プログラムと髪型で勝手に真面目でお堅いクールな子というイメージを抱いていたのでTHE☆アメリカンな喜び方とあどけない笑顔にやられました、これがギャップというやつか。なんてかわいいんだ。
〈FS〉
https://youtu.be/qji4vAfEaFY(演技のみ)
https://youtu.be/JKX1--lLDhE(試合フル、6練2:05:01~、演技2:48:54~、キスクラ2:56:35~、インタビュー3:01:38~、表彰式3:04:14~)
14歳なのにゴッドファーザーとかやっちゃうんだ!?(ネイサンは12歳くらいでやってる)
3Aまだなのに4S跳んじゃうんだ!?
優雅なイーグルから謎の銃声SE、もうこの辺りで完全に落ちていたと思います。ひょいひょいっと跳ぶ三連が気持ちいい、そしてまた銃声、私の心臓は最早蜂の巣です。頰をちょいちょいっとする振り付けがやたら似合う14歳。
2013-14、2014-15シーズンは膝の手術などで休養していた事を演技を見た後に知って驚きました、怪我明けな風には全く見えなかったので。2シーズンほぼ丸ごと休養した後の復帰シーズンでこれだけの演技、回転不足とはいえ4Sも装備してきて……
もしや彼ってとんでもない子なのでは?
・
・
・
(全米インターメディエイト優勝)
(全米ノービス優勝)
(全米ジュニア優勝)
とんでもない子でした
なんだこの素晴らしい演技の数々は……。
先にネイサンを観ていたせいか表現面ではまだこれからなのかな…?とか思っちゃってましたがいやもうとんでもない。開始数秒でもう虜、ダイソン以上の吸引力。風のようにひゅいひゅい滑るわ息をするように音ハメするわ…そしてこの頃からタノ祭り……自信に満ちた表情も相まって映画の中の子役を観ているようでした(2013全米のカサブランカなんか特に)この子に怖いものなんてあるの?って位に感じましたね。
こちらは2013Glacier Falls Classicの動画。
えっノービス選手がシニアカテゴリで出場してこの構成やってるんですか、ひえぇ。(改めて観ると3Aトライも凄いけど何気にラスト2Aの入りえぐくないですか)
FSのえげつないイーグル(貼りたかっただけ)
SPのセビリアの理髪師もFSのくるみ割り人形も完成形が観てみたかったですがこうして映像として残っているというのは本当ありがたい事です。
そんなこんなでYouTubeにあるだけの過去演技を一気見してしまった私、心はもう完全にVincent Zhou一色。またこうして夢中になれる選手と出会えた事に震えました。
しかしまさか日本の20代男性にどハマりした後アメリカの、しかも10代の少年のファンになるとは思ってもいませんでした。(個人的に町田さんとヴィンスは共通点多いと思っているのであながち不思議ではないのかもしれません)
10代…この記事を書いている今も彼はまだ10代なんですね、まだまだ応援し続けますとも。
概要とさいたまワールド2019感想
さいたまワールドも終わり辺りも春めいてきました。
感想を書く前に少しだけ概要を。
このブログは私が好きなスケーターについて書き綴るだけの謂わばメモ帳となる予定です。
何故今更ブログを作ったのかって感じなんですが経緯としては
今回のワールドを観てヴィンスとネイサンのW表彰台に感涙する
↓
ヴィンスの過去の演技の内容や自分の感想を見返したいと思ったけどTwitterだと過去の呟きを一々見るのが面倒
↓
ワールド終わってキリも良いし、ここらでヴィンスことVincent Zhou選手の事を振り返ってまとめておこう
といった自己満のノリです
技術的な内容は恐らく皆無で過去の感想やこれからの試合の事をだらだら書いて定期的に見返そうというほぼ自分の為のブログなんですがもしこのワールドやこれからの試合で彼に惹かれた人が私のブログをチラッとでも見て興味を増してくれたらなー、という思いもちょっとあったり。
私も彼を初めて知った頃検索しまくって色々な方の情報やブログにお世話になったものなので……。
そんなマイペースな感じでやっていきたいと思います。
という訳で以下さいたまワールド感想↓
ヴィンス
〈SP〉
初の100超えを果たした四大陸ほどの出来とはなりませんでしたが素晴らしい演技でした、シーズン初めに纏っていた重い空気が嘘の様。4Sは回転不足でしたが4Lz-3Tは四大陸に引き続き回りきっていて克服しつつあるのかなーと、努力は身を結ぶんですね。
ファイブコンポーネンツは全て8点台、40出せる様になってきました、もう6点台がずらりと並んでいた頃とは違うのですよおお(泣)
今季のSPは彼の成長の過程が分かりやすく表れていて好きでした、カートが泣いたエクソジェネシスで私が泣かない訳がない、涙が出る程美しいエクソジェネシスをありがとう。
〈FS〉
昨季ワールドのリベンジを果たしました。日出ずる国でこの眩ゆい演技、まさにRising Sun。2011-12シーズンに使用していた曲で滑ると知った時は2016-17シーズンのカサブランカ再演に勝るとも劣らない衝撃でした、リバイバルプログラムは良い。
4Tと最後のサードフリップが刺さっているものの4Lz-3Tと4Sに高い加点が付いているのは大きい、特にコンボはSPより質の良いものでした。4Lz-3TのGOEはナショナルを除くと今の所アレクサンドル・サマリンくんとヴィンスが+3.94でトップなんですね〜、4Lzコンボを跳ぶ人が少ないので当たり前とはいえ某サイトのベストエレメンツ欄にヴィンス・ネイサン・サマリンくんの名前が並んでるのが嬉しくてスクショ撮ってしまいました。PCSもGPシリーズボロボロだったり平昌五輪SP通過者中最下位だったりした事を考えると本当によく頑張っているとしか…確実に着実にステップアップしていってます。
ネイサン
もう余裕綽々って感じでしたね、これが王者の貫禄ですか。SPは冒頭の3A降りた時点で「あーもうこれは大丈夫ですわー」って気持ちになりました、その予想通り危なげなく決めてくれるネイサン・チェンさん格好いい。調子の良し悪しで4Lzと4Fを自在に切り替えられるのが強いですね。初ワールドでは“Axels are hard🙈😒😂”とか嘆いてた人がSP・FS共に揃えてワールド二連覇ですよ…ラファ大喜びで可愛い。
サマリンくん
SPの冒頭2Lz*にはびっくりしてしまいました、転倒はあっても抜けがなく安定して4Lzを降りている印象だったので…。しかしそこからの4F-2T、更に度肝を抜かれました。2Lzになった後守りに入らず4Fに挑む気迫としっかりコンボにする根性、痺れます。初認定おめでとう!FSは美麗4Lz-3Tを決めて総合12位、私は10位以内に入ると予想していましたがSP20位からのジャンプアップ素晴らしい。
サモヒン
4Sの立ち上がりの早さにビビりました、いつものあの心臓に悪い痛そうな転け方より何倍も良いですが。サモちゃんがレベル揃えてるやったー!SP乗り越えたからこれで勝つる!と喜びましたが…FS……、転倒はなかったものの抜けに回転不足に…クリーンなジャンプがほぼないという。良い時はめちゃくちゃ良いし悪い時はとことん悪いというサモヒンらしさが出てしまいました…FS番長なサモヒンカムバック。
マッテオ
ユーロの新たなる星は間違いなく彼だと感じさせてくれるSPでした、PCSもうちょいちょうだいと思ってしまう。ワールドFSの最終Gで滑るマッテオが見られるとは、4Tは決まりませんでしたがよくよく考えれば投入し始めたのは今季ですしユーロ、ユニバーシアードと高品質なクワドを持続させていたのが凄い。飛躍のシーズンが続く。
エイモズくん
彼のアクロバティックでエモーショナルな演技はワールドでも異彩を放っていました、今回のワールドで彼の名前が一気に知られた様な気がして嬉しいです。お髭も生やしてすっかりシニアの風格が身につきましたがSPの良い得点に嬉し泣きしそうになっている所を見て泣き虫さんな所は変わってないな〜と微笑ましくなりました。アダムくんと一緒に国別に来るそうなので楽しみです。
表彰式は王者の微笑みネイサン・チェンさん、瞳の中に鬼を飼う羽生結弦さん、ずっとにこにこヴィンセント・ジョウさんの差が面白かったです。ヴィンスとネイサンが肩を並べて星条旗を背負っている姿を見て色々なものが込み上げてきました。アメリカ男子のワールドW表彰台は1996年以来23年ぶりだそうで、プレカンの時にそのエピソードをパッと口にするヴィンス、何ともヴィンスらしい。
ワールド1〜3位、4〜6位はGPシリーズアサインが被らないっていうのにヴィンスが入るんですね〜、ヴィンスとネイサンを一緒の大会で観られないのはちょっと寂しいですが心臓には良いかもしれません。忘れがちですけどまだGPシリーズメダル持ってないんですよねヴィンス。どこに派遣されるかは謎ですがとりあえずフランス以外であれば(初めて貰うかもしれないメダルがアクリル板は悲し過ぎる)
ネイサンはきっとファイナルに進むでしょうからヴィンスも追いかけねばなりません
イタリア・トリノで会おう!